サラリーマンをやったり、中小企業診断士をやったり、プログラマーをやったり、ブロガーをやったりしています。
今回は、中田敦彦さんのYoutubeチャンネルでも紹介されていた「WHY BLOCK CHAIN」のレビューです。
その動画は以下。
正直いうと、この動画はじっくりと見ていたので、本自体はもう読まなくていいやって思っていたのですが、、、、間違っていました・・・。
この本のメインテーマである「WHY BLOCK CHAIN」は、ボクが読み解く限り、おそらく「3つのなぜ」がかかっています。
- なぜブロックチェーンは素晴らしいのか?
- なぜブロックチェーンじゃなきゃダメなのか?
- なぜブロックチェーンに我々は挑戦すべきなのか?
中田敦彦さんの動画で説明しているのは、1番の「なぜブロックチェーンは素晴らしいのか?」のみ。
それぞれでおそらく読者ターゲットは違うんです。
- なぜブロックチェーンは素晴らしいのか?
→ブロックチェーンさっぱりわからない人向け - なぜブロックチェーンじゃなきゃダメなのか?
→ブロックチェーンの仕組みはわかった人むけ - なぜブロックチェーンに我々は挑戦すべきなのか?
→ブロックチェーンの未来の同志向け
ボクは一通りブロックチェーンの仕組みとか可能性については理解しているので、最近は「ブロックチェーンを利用したビジネスを作れないかなぁ」とぼんやり考えていました。
正直言いますと、「この本はきっと入門書だから、新しい気づきはほとんどないかもだけど、復習がてら読んでおくか〜」くらいのつもりで読みました。
でも違ってた。
むしろ、それくらいの理解度になったときに、面白い内容です。
ではレビューをご覧ください!
WHY BLOCK CHAINの内容について
構成は以下の通りです。
- 序章 ブロックチェーンのいま
- 第1章 ITの進化
- 第2章 ブロックチェーンの正体
- 第3章 普及を阻むもの
- 第4章 ブロックチェーンが拓く未来
- 第5章 実験例と想定ケース
- 終わりに
序盤はBLOCK CHAIN入門者を脱するためのお勉強
この本の前半は、現在のITの流れと、ブロックチェーンを理解する話。
今のITの流れが歴史から紐解かれて、めちゃくちゃ端的にまとめられているので、とてもわかりやすいし、面白い。
作者は今のIT時代を認識する上で欠かすことができない以下の概念4つを4種の神器と命名されていました。
- AI
- クラウド
- IoT
- ブロックチェーン
その後、ブロックチェーンを構成する4つの技術についての説明がありました。
- 暗号化技術
- コンセンサスアルゴリズム
- P2P
- DLT
そして、その知識を前提にビットコインの仕組みが解説されてありまして、ここまで理解すればブロックチェーン入門者卒業だと思います。
そして、前半部分で「ブロックチェーンって素晴らしいじゃん!可能性やばいじゃん!」ってことにはすぐに気がつくはずです。
中盤は「本当にブロックチェーンでなければならないのか?」を考えさせられる話
この本の面白いところはここから。
前半で散々テンションをぶち上げられて、「ブロックチェーンヤベェぇぇぇ!!!万能じゃん!ウォーーービジネス思いついたー!うちの会社にも提案してやろうかな〜!」ってなった気持ちを落ち着かせてくれるようになっています。
「いやいや待って。でも現実はこうだし、結構難しいよ。それに今思いついてるそのアイデア、別にブロックチェーンじゃなくてもいいじゃん。」
みたいな感じです。
- 実際のところ、ブロックチェーンを阻害するもの
- ブロックチェーンの限界(向き不向き)
- ブロックチェーン熱が高まった経営者の会社あるある
この辺りがしっかりと書かれてあります。
実際のところは、法律や、文化がまだ全然追いついていないですし、ブロックチェーンは既得権益を脅かすことになりますから、ポテンシャルがいくら高くても、浸透にはまだまだ時間がかかります。
そして、ブロックチェーンは万能ではなく、苦手なものもあります。
- 大きなデータを扱うものが苦手
- 個別情報を即時に検索するのが苦手
- 個体管理しにくいものは苦手 など
中盤で、ブロックチェーンの限界を知ることができ、一度盛り上がった気持ちが冷静になるような構成になっています。
終盤は「それでもなぜ我々はブロックチェーンに挑戦すべきなのか」を考えさせられる話
序盤で一度ブロックチェーンを理解し、夢が膨らみ、幻想を描かされ、中盤ですぐにその幻想を砕かれ、冷静になった頭になっている状態。
そこから終盤。ここがこの本メインテーマです。
「それでもなぜ我々はブロックチェーンに挑戦すべきなのか。」(・・・と書かれているわけではないですが、ボクにはそう読み解けました。)
終盤では以下のようなことが説明されています。
- ブロックチェーンでできる自立分散型組織(DAO)
- 変わりゆくテクノロジーと人間の関係性
- トークンエコノミーが起こす可能性
- SDGsとの相性
- 超競争格差社会を巻き起こす可能性 などなど
面白いのはプラス面だけではなく、マイナス面もしっかりと描かれていることです。
例えば、ブロックチェーンによって管理者がいない世界になったら、強者にとってはいいかもですが、ルールに守られている弱者にとっては厳しいですよね。
さらに、終盤の終盤では、ブロックチェーンの第一人者である作者が持っているアイディアも一部公開されていました。
この作者のアイディアパートは、ここまでの話を全て読んで、ブロックチェーンの可能性、限界の両面を理解していたら、面白くなる内容です。
WHY BLOCK CHAINを読んだ感想は
この本の感想を一言で言うならば、
ブロックチェーンについて、もっともっと知りたくなりました!
個人的にはブロックチェーンはかなり勉強して、事業やサービスなどもいろいろ妄想していたのですが、
「そのアイディアは本当にブロックチェーンでなければいけないの?」
という作者からの問いがあったとき、ハッとしました。
ボクが考えていたアイディアは、普通にブロックチェーンでなくてもよかったからです。
むしろブロックチェーンじゃない方が簡単に実現できそうでした。
この本を読んでブロックチェーンの可能性を再認識するとともに、もっともっと勉強が必要だということもはっきりしました。
やっぱ本は実際に読まなきゃね
Youtubeでの書評を見るのと、実際読むのでは全然違いますね。
やはりその本の中でしか作者の本当に伝えたいことは見えてきません。
ボクはこの本を読んで、
「限界もある。しがらみもある。そんなのはわかってる。それでもやっぱりブロックチェーンが拓く未来を少しでも早く見てみたい・・・!」
そんな作者の居ても立っても居られない思いを感じずにはいれませんでした。
そして、この本を通じて、ボクも全く同じような気持ちになりました。
ブロックチェーンについて勉強したい方にも、ブロックチェーンで自分が考えているアイディアの答え合わせをしたい方にもおすすめの一冊です。