中小企業診断士

中小企業診断士二次試験の事例3の対策【因果関係をおさえよう】

中小企業診断士二次試験の事例3が特に苦手。

勉強の仕方とか対策を知りたい。

こんちゃ!中小企業診断士二次試験をオールAで合格したジッキー(@jikky_bongjing)です。今回は上記のようなお悩みに答えます。

事例3は、僕も苦手でした。工場で働いたことねぇし!イメージできねぇし!って思ってましたね。

僕は2回二次試験を受けましたが、正直言って事例3以外は1回目の時点で合格ラインに届いていました。

↓こちら。上がH29年度、下がH30年度です。Dだった事例3を1年でAまで伸ばしました。ってか・・あと5点さえあれば・・・(笑)

中小企業診断士二次試験の成績比較

でもなぜこんなに成績が伸びたかというと、1年間で正しく対策したからです。事例3は事例1と同じく、センスは不要。知識と解き方がわかれば5〜7割で安定する科目です。

というわけで、これからまずは僕なりの解法を伝えた上で、その解法ができるようになるための勉強方法をお伝えします!

中小企業診断士二次試験の事例3の対策【解き方のコツ】

解き方のコツ

当然、完全な攻略法をこの記事内に収めることは不可能です。1000時間以上勉強が必要な試験ですから、そんな魔法はありません。

なので、これからお伝えすることは、押さえる優先順位の高いコツです。大事なことばかりお伝えしますが、これが全てだとは思わないで読んでいってくださいね。

何を答える試験か

全部の事例でお伝えしているように、事例ごとにまずは何を答える試験なのかっていうことを意識することが大事ですね。

事例3で答えるのは主に「生産現場の具体的な改善策と大きな経営戦略」です。

もちろん、改善策や経営戦略にたどり着くための分析の過程が問題になったりします。(例:今の生産現場の問題点を答えよ。C社の強みを答えよ。など)

回答の視点は超現場視点と経営視点のダブル

中小企業診断士の二次試験は、事例によって回答の視点が異なります。

回答を書く上で、どの視点で答えを書くかっていうことはとても大事です。現場目線か、経営者目線か、財務担当目線か・・・。

それでいうと、事例3の場合は、現場と経営の両極の視点が必要なイメージです。

「生産現場の改善策」という、どの事例よりも具体的な回答が求められながら、その現場の問題を片付けながら、「どういう経営戦略を取っていくか」ってことを求められますから。

ただ、改善策のパターンはほぼ決まってます。また経営戦略も基本的には事例1と同じように型が決まってますから、情報整理さえできれば、事例2とは違ってセンスは不要です。

与件文を読む中で絶対に押さえておくべきこと

僕が与件文を読む際に、強烈に意識していた部分は以下の6つです。

与件文を読む中で押さえたい情報
  1. 競争優位
  2. 経営戦略(勝ちパターン・生き残り戦略)
  3. 社長がどうしたいか
  4. 課題
  5. 現場の問題点と「弱み」の因果関係
  6. コントロールできるもの・できないものの切り分け

一つ一つ説明しますね。

1:競争優位

どの事例にも共通する中小企業診断士二次試験の基本です。SWOT分析をしながら与件文を読んでいくわけですが、その中でも「競争優位(強み)」はどの事例でも優先順位が高いです。

SWOTの中でも、「強み」には優先順位をつけて読むといいですね。強みの中でも強弱があります。

優先順位はVRIO分析で考えるイメージです。以下のレベルが上がれば上がるほど、競争優位としての優先順位は上がります。

レベル1:V・・・価値があるか
レベル2:R・・・稀少性が高いか
レベル3:I・・・模倣困難か
レベル4:O・・・組織的な強みか

とはいえ、相手は大手企業ではなく、あくまでも中小企業ですから、ハードルは低めに考えてあげることも大事です。

例えば、「金型を外注せず、自社で作ることもできる」とか「生産から組み立てまで一貫生産体制を持っている」「営業部隊が充実している」なども十分な強みになります。

中小企業のメーカーは、金型は外注、製品の部品を作ってて、営業は経営者一人、みたいなケースが一般的ですから。

「強み」が生きるように「現場を改善」して、「経営戦略」を提案する

このイメージを持っておくといいです。

2:経営戦略(勝ちパターン・生き残り戦略)

経営戦略を押さえることも超大事です。これもどの事例にも共通しますね。

経営戦略っていうのは、「どんな強みを生かして、どうやって生き残ろうとしているのか」「どうやって他社に勝とうとしているのか」「どうやって利益を上げようとしているか」ってことです。

これが全ての回答の軸になりますから。

1枚の回答用紙はコンサルティングの提案書です。ですから、提案書として説得力のあるものにするためには一貫性が大事です。

例えばですが、高付加価値製品を製造販売するという戦略の企業に、安価な製品を大量生産して大量販売しましょう!みたいな提案するのっておかしいですよね?

それに、問1で回答した強みと、問5で回答した今後の戦略に一貫性がなければ、ちぐはぐデタラメな信用性の低い提案書になっちゃうってことですね。

その回答の一貫性を作る軸こそが経営戦略です。

回答は全て企業の全体的な経営戦略からブレないように書くこと。そしてそのためにも競争優位(強み)を押さえておくこと。これがとにかく大事。

3:社長がどうしたいのか

社長がどうしたいのかも押さえておきましょう。

事例3はだいたい、

社長がやりたいことがあるけど、現場で問題が起きているから進めない。

という設定になっています。

だから、改善の方向性も全て社長のビジョンに向かっていくのです。

社長がこれからどんな会社にしようとしているのか。どうやって事業を拡大しようと思っているのか。

これが提案のベースになります。

一見、社長に物申す系のコンサルタントはかっこいいと思えるかもしれませんが、試験上では、社長の意図と反することを提案することはよっぽどのことがない限りはありません。

基本的にはコンサルタントとして社長の気持ちや想いに寄り添います。

というわけで、「社長がこうしたいと考えている」っていう内容は、目立つ色でマークしておくといいですよ。

4:課題

次に課題です。課題というのは、問題点とはニュアンスが違います。

課題は、「現状と社長のビジョンの隙間を埋めるために必要なこと」というイメージです。

今の経営戦略がわかっていて、社長のビジョンを押さえることができていれば、現状では何が足りていないのかってことが見えてきます。

いかが事例3の回答を考える思考のイメージです。

社長がやりたいことが実現するには・・・
→現場はこうなっているのが理想で・・・・
→でも今、現場はこんな問題が起きているから・・・
→こんな改善をする必要がある(課題)

課題は文章に明言されてることもあれば、されていないこともあります。

もしそれっぽいものが与件文から見つかったらマーカーで線を引いておきましょう。なければ、与件文全体を見て、自分で言語化しておきましょう。

5:現場の問題点と「弱み」の因果関係

事例3を解く中で、点数を高めるために僕が最も意識した部分です。事例3が苦手な人はおそらくここがうまくいっていません。

事例3は因果関係が命です。

事例3の与件文の中には「問題点」と「弱み」が混在しています。ここの因果関係を意識して読まないと、何を改善すればいいかわからなくなります。

当然ですが、「弱み」があるから、「問題が起きている」わけです。

よくダメな例としてあるのが、「どう改善するか?」という問題に対して「問題点を解消します」と答えるパターン。

ここで思い出さないといけないのは、二次試験は紙面でのコンサルティング活動をオコアヌ試験であるということ。社長がそれを見て、「よしやろう」と思えなければダメ。どうやって解消するの?っていう具体的なことまで書く必要があります。

ということは、「問題」に原因となってる弱みの部分の具体的な改善策を出すのが正解です。

僕は「弱み」は緑マーカーの直線で。「問題点」は緑マーカーの波線で線を引くようにしていました。ここを切り分け、「原因」を改善する策を考える癖をつけることがものすごく大事です。

【例】

問題点:ピーク時に納期遅れが生じている。

弱み:生産方法が属人的で、生産できる人が少ない。

改善の方向性:生産方法のマニュアル化。ピーク時に稼働できる人員を増やして、生産リードタイムを短縮化。

6:コントロールできるもの・できないものの切りわけ

あともう一個大事なことを!

問題点や弱みのチェックをしている時、「コントロールできるもの」か「コントロールできないものか」っていう視点も大事です。

当たり前ですが、コントロールできないものは改善しようがありません。

例えば・・・・

納期に問題のある、C社が完全に大手の下請けで、大手企業の決まりで生産計画が落ちてくるタイミングが決まってるとしましょう。

当然納期を早めたいなら、自社の生産リードタイムを早めるっていう方向性もありますが、一方で「大手企業さん、お願いだからもっと早く生産計画落としてくれない?」っていう方向性も考えられますよね?

でも、こんなコントロールは実際企業との力関係を考えてもできません。だからこんな解答例出すとダメってことです。

大手企業により早く生産計画を出してもらうことで、納期を早める。

もし、生産計画はこちらが聞きにいけばいつでも教えてくれる状態で、いつもは水曜日に聞くことにしてるが、それを月曜日にしようという改善はできます。

それはC社の問題ですから、コントロール可能なので。

コントロール不可能なものをいくら考えても時間の無駄ですから、限られた試験時間をうまく活用するためにも、しっかりとコントロールの可否は区別しましょう。

与件文で優先的におさえるところまとめ

事例3でこれだけのことを押さえて与件文を読めれば、十分です。

与件文を読む中で押さえたい情報
  1. 競争優位
  2. 経営戦略(勝ちパターン・生き残り戦略)
  3. 社長がどうしたいか
  4. 課題
  5. 現場の問題点と「弱み」の因果関係
  6. コントロールできるもの・できないものの切り分け

マーカーの使い方

僕が与件文を読むときにマーカーを使っていました。

僕の場合は、使う色は4色ですね。ご自身が見やすければ何でもいいです。

競争優位(S)・機会(O)→オレンジ

弱み(W)・脅威(T)→緑

生産現場の問題点→緑波線+横に「問」という文字

社長のビジョン・課題・戦略→ピンク

その他問題に関わるところ→黄色

特に強調したいのは、「問題点」と「弱み」の切り分けですね。

ただ、ちょっとややこしいこと言いますが、「原因」→「問題点」→「問題点」のように、多重になっていることがあります。

例えば、「生産方法が属人的(原因)」→「納期遅れが生じている(問題点)」→「クレームが起きている(問題点)」

こんな時はどこかに因果関係をメモしておきつつ、とにかく最初の原因を見つけることに集中しましょう。

どこがネックなのかを理解できれば、改善策はもう簡単に出せるはず。

問題を解く時の流れ

押さえるべきポイントがわかったところで、僕なりの回答のやり方を紹介しますね。

以下のようなステップです。

事例1の解き方の流れ
  1. まず一段落を読んで企業概要をイメージ。
  2. 問題を読み、回答イメージと押さえるべきことを頭にインプット。
  3. SWOT・Vrio分析を意識しながらマーカーを使いながら読む。
  4. 弱みと問題点の因果関係はどこかにメモしておく。
  5. 弱みは「コントロールできるもの」「コントロールできないもの」を区別
  6. 経営戦略・経営課題・経営者のビジョンを気にしながら読む。
  7. 問題と絡みそうなところもマーカー。
  8. 一度全体を読んでから、先に解けそうな問題から回答スタート。

こんな感じですね。

この問題を解くための細かい流れは、また別の記事で書きます。

中小企業診断士二次試験の事例3の対策【勉強の方法】

勉強方法

さて、冒頭でもお伝えしたように、事例3は情報整理さえできれば、あとはパズルのようなもの。センスは不要です。

新しい奇想天外なアイデアは全く必要ありません。

押さえるべきものは、「理想的な現場状況」と「改善策」についての知識です。

知識のインプットは大前提です。

情報整理した後に、「理想的な状況」を想定して、「改善策」を出すために、知識が必要です。

基本的は、理想的な現場状況はだいたいパターンは決まってます。

世の中のニーズが、「多品種」「小ロット」「短納期」の3つに対応させることなので。

そのために「多能工化」「汎用機の使用」「マニュアル化」「外段取り化」「生産情報を一元管理」「データベース活用」「生産計画はできるだけ短期スパンで」「一貫生産体制の確立」などをしていくみたいな流れなんです。

そのための手法や分析の方法を知識として勉強しておくと、あとはもう与件文から改善点を引っ張って、理想の状況に近づけるために、コントロールできるものを改善していく。ってだけ。

経営戦略については、事例1とほぼ考え方は同じ。強みを生かして、競争優位を高めていくという戦略を描くのが基本ですね。

体系的に知識がまとまったおすすめテキスト

速修2次テキスト(TBC受験研究会)

僕が二次試験攻略に使っていたテキスト「速修2次テキスト」は知識を体系的に覚えるのには非常に便利です。

本の最終章にある「抽象化ブロックシート」に必要な知識がブロックになってまとまっています。

僕のメモがひどいですが、一部出すとこんな感じ。

この一冊だけで十分。もちろんこのブロックシートに書いていない内容も試験に出ることもあるんですが、模擬試験などを通じて追加の知識は自分で書き足していくことで、自分オリジナルのブロックシートができていくイメージです。

 

あと、事例3は学んだ理論がどう現場で生かされているかをイメージできるようになると、一気に理解が進みます

なので、現場がイメージできずに事例3に苦手意識を持っている人には、下記の本がおすすめ。事例3の試験委員の木内正光さんの著書で、知識がどう生かされているのか、事例を用いながら説明してくれています。

読むの結構辛かったですが、生産現場と改善の流れをイメージするにはとても良かったですし、実際この本に書いていた内容と近い内容の問題が出題されたりもしました。(マンマシンチャートの問題)

読んで損はないと思います。

その他おすすめの本については下記にまとめていますので、興味ある方はどうぞ!

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情報整理ができれば、80%の対策が完了です。

アウトプットのイメージ

事例3は、とにかく与件文の情報整理が大事。それができれば、もう80%作業は終了で、あとは回答を埋めていくだけ。安定して、5〜7割くらいの点数が取れるようになるはずです。

よっぽど出題傾向が変わらない限りは、改善の方向性は、「多品種」「小ロット」「短納期」の3つへの対応です。

なので、「こういう問題点や弱みがあるケース」には「こういう改善策がいい」っていうパターンをいくつかノートなどに整理して持っておくと、だいたいの問題に答えられます。

さっきも言いましたが、奇想天外でユニークなアイデアなんて不要ですから。

事例3が苦手な人は逆にチャンス!最も伸び代がある科目だと思いますね。

今回は以上です!

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